自作小説やアニメの評論
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松田はため息をついた。 「以前のように安定していない。あっと言う間に企業が育ち潰れていくんだ。大手の企業といっても安心できないよ」 なるほどと思った。 毎日のように中小企業が倒産し、大企業が合併再編している。 絶対に安心な明日はないのだ。 「だから少しでも増やすために資産投資をしているんだ」 「投資?」 「株や先物とかを少し: 松田の話は驚くべきものだった。 それと共に自分は何も知らないのだと実感した。 松田はインターネットで、株式投資と先物とあとは不動産をやっているし、将来ののために、保険も入っている。 子供は親に預け奥さんも働いて、目標金額をためているということだ。 「老後のことを考えると、厚生年金なんか夫婦で三十万あればいいとこだし、国民年金なんかじゃ十四万だ。そこから生活費や老人になれば病院代もかかるだろうし、問題は定年が六十として、年金の貰えない五年間は最悪生活に二十万かかるから最低四千万は貯めないとな」 「すごいな、もう定年のことまで考えてるのか」 「俺も会社が倒産するまではのんびり考えていたけど、でも無くなって初めて、自分はこんなにももろい土台にいたことに気がついたって訳だだから、いろいろ考えたよ」 僕は愕然とした。 目先の生活や日々を過ごすことに精一杯で、将来のことなど考える余裕もなかった。 いつかまた景気が回復し、貧しくとも就職できるだろうと言う幻想に支えられていたからだ。
同時期に入った者はすぐに慣れたようだが、僕は年齢もいってるし、経験もないのでなかなか慣れず。
何をやっても巧くいかずに、ケアレスミスが増えていく。 主任が言う個数目標などまったく無理だった。 嫌みを言われ、派遣の担当が僕には向いてないと契約を切られた。 自分でも分かってはいたことだが、こんなことも出来ない自分に絶望を感じた。 自分で思っていたよりも僕は出来ない虫けらな人間なのだ。 絶望を感じ、その夜は泣き明かした。 「元気か今度飲みに行かないか?」 そんな時本屋時代の同期から電話をもらったので、たまには気晴らしもいいかと思い、飲みに行った。 「久しぶりだな、どうしている」 同じ年に同期で入った松田は同期と言っても、国立の大学出で研修期間が終わったあと、本社採用になった。 そのあとも本社の窓口業務となったので、接触があり、たびたび飲みに行った。 「あの時は大変だったな、もう俺は人生終わりかと思ったよ」 「僕もだよ、今はどうしてるんだ」 「今は趣味でやってたインターネットの趣味仲間に誘われて、コンテツの会社に就職したんだけど、なんだかあれよあれよってうちに、まあ食べれる企業になってさ、助かってるよ。おまえは?」 名前を聞くと今躍進中の有名企業だった。 「すごいな、、、僕は派遣で、やっと食ってる」 やはり国立の大学出は高校とは違うのだ。 僕は惨めな思いを隠しきれずそう言っていた。 「そんなことないぜ、俺だってここで一生やっていける確信はないからな」 「だけど、大手じゃないか」 「世界は変動してるよ、大手の会社だっていつ潰れるか、安全なのは公務員くらいじゃないかな」
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薬物依存になりかけです。
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