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自作小説やアニメの評論
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「で、、まだ昼前だしどうしますか」

 ナーガさんが肝心の話を始めた。

「そうですね、いいお天気だし、自然のあるとこへ行きたいなあ」

 ソニアさんが答えた。

「私も自然のあるところで、あとせっかくだから、ここのサイト名にちなんだ樹海へ行きたいです」

 かりんさんも提案した。

「ぼくも、実は名前だけで、樹海ってどんなとこかは知らないんですよ、なんだかイメージだけが先行して、、一回つうか、これで最後なんだからそこでって言うのもいいですよね」

 他に行きたい場所があるわけでもないので、僕たちは樹海へと旅立つこととなった。

 RPGじゃないけど不思議な縁で結ばれた勇者のように、僕らは今からみんなで旅立つのだ。

 世間からすると絶望だが、僕らからすれば希望の場所、、永遠の眠りの聖地へと

 その時のぼくらの心理からすれば、希望のない日々を無惨に生きて、運命に押しやられどこかで野たれ死ぬより、自ら運命を選び、死という明日を迎える。

 人は希望無しには生きれはしない。

 どうせ幾星霜の時間の中で人間の人生なんて、幻のようなものだ。

 

 

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樹海へ行こうの過去まとめ分です
ある男がまとめて読めます

 







 

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かりんさんはあまり語りたがらなかった。 ただ信じていた人が、難病を煩った。

どんな難病かも彼女は教えてくれなかった が、そのことで手の平を返したように冷たくなり、友人にも裏切られたと言うことだ。難病は伝染性はないとだけ告げた。  

僕らに言えないのは、僕らをまだ信用してくれていないのだろう。  

だがそれでもいいだろう。  

もう消滅するのだから、聞いてもらいたいものが話し、嫌な者は話さなくともいいだろう。    

若いかりんさんの心を痛めた事件を、好奇心からは聞いてみたかったが、もう消滅する僕には何の意味もない。    

なぐさめるにも、もう苦しまなくていいんだからと言う答えしかできないだろう。  

若い人間かだから甘いとはいえない。  壮絶な人生が隠されている場合があるのだから。    

かりんさんの青白い美しい顔ははかなく見えた。

 

 

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樹海へ行こうの過去まとめ分です
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 イサオさんはリストラされ、仕事を捜したが五十代では何もなっかった。

 必死で捜しても半端な仕事しかなく、生活費ぎりぎりで、

 家のローンが重荷になり、最後は妻や子供と離婚に至った。

 その方が身体の弱い妻と子が生活保護で暮らしていけるからだと言う。

「私のできることなんてこんなろくでもないことだけです」

 金のある時はネットカフェで寝て、心細い時は二十四時間のファーストフードで寝泊まりし、それも無理ならば路上で寝る。

 日雇いのその場限りの仕事をしながら、目処のつかない日々をやっと過ごしていた。

「もう、本当は早めに自殺して子供に保険でものこしてあげたら良かったんだと思いますよ。私なんか社会のくずですからね」

 そんなことはないと口々にイサオさんを慰めたが、みんなそれは自分のことだと感じていた。

「いつも、いつも思い出すんです。家を買ってみんな喜んで、残業ばかりのきつい仕事だったけど、毎日子供達の寝顔をみながら、この幸せは続いていくんだろうなと、、何の落ち度もなかったと思います。会社が赤字だとも聞いてないし、あのころ流行で、ついでにうちもってやられたと、他のリストラされた社員から聞きましたがね」

 イサオさんは日雇いのための連絡携帯に写った娘さん達の写真を見ながら涙をこぼした。

 僕らは残酷な運命に言葉も出なかった。

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ナーガさんは会社の内定が取り消しになり、就職浪人になった。

 そして出遅れた彼は行き先の困った末に、ファミレスで働き始めた。

 正社員になれるだけでもありがたいと思ったからだ。

 周囲の派遣を見てもいい条件とはいいがたいし、将来はないと見越し、給料が多少安くとも、安定した職と思い希望を抱いて就職した。

 きつい仕事で残業も多かったが、残業分はお金になるので懸命にがんばった。

 その功績が認められたのか、ついに彼は店長に抜擢された。

 一年でここまでこれたことに、ナーガさんは喜び、将来に明るい希望を抱いた。

 この会社の為にもっと尽くしたいと決意したが、その決意は半年もするともろくも崩れていった。

 彼の身体が疲弊しきったからだ。

 ナーガさんを店長に据えたあと、本部は人数を削減させ、管理職であるナーガさんが、サービス残業せざるを得なかった。

 人を増やしてもくれず昨年対比は上げろと迫る。 

 バイトが休みならその分もカバーしなければならない。

 休日もなく疲労と睡眠不足で、だんだんと気力は失われていった。

 そして残業代がつかないことで、ナーガさんに給料は実質平社員の時よりも減った。

 ある日、店で涙がでるのを堪えずに、ずっと厨房で涙をながしていた。

 その日から序々に壊れていった。

 ケアレスミスが続き、眠れなくなり、最後には何も考えれなくなった。

 もう仕事もできずに、精神科に行った時には重度の鬱と診断された。

 自分のせいで仕事に迷惑を掛けたと思い込み。

 彼は会社を辞めたのだが、最近までそれが会社の人を安く使う手だと知らなかった。

 ただ自分を責めていたナーガさんはある番組で知ったのだ。

 自分も名ばかり管理職だと言うことを。

 その時初めてしった。

 アリバイトや派遣なんてと思っていたナーガさんは、自分もまた会社からすれば使い捨ての消耗品でしかないと知ったのだ。

 それから鬱がひどくなり、社会復帰への希望を失った。

 自分の価値など社会からみればその程度で、いてもいなくてもいいと分かったのだ。

 そんな価値のない自分が職につき働けるなど信じられなくなった。

 完全に自分に自信がなくなったナーガさんは家からしばらく出られなくなった。

「最近は少しましなんです、、ここがあったから、、いつかみんなと会え旅立てると思ったから」

 ナーガさんがうっすらと笑って言った。

 僕には彼の気持ちがとても良く分かった。

 

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とんさんは親と同居の三十代で現在無職だ。もとは一流企業の会社員だったが突然の倒産で、あっと思うまもなく放り出された。今度は安定した公務員にと思い試験を受けたが資格を持っていても採用してもらえない。コネがないからだ。

圧倒的な人数がいる中で選ばれるのは難しい。

 枠が開くのを待っていたが結局だめだった。

 派遣労働に行ったがそれも三十代だと言うと思うようなところはない。

 親のすねかじってまあ少しでもいいとこ捜しているという。

 経済がよくなったらどうにかと待っていたが、悪化するばかりで何もない。

「結局、もう少しいい仕事とか思ってるうちに、余計就職出来なくなって、まあ高望みしすぎたと言われたらそれまでですが、、」

 もう何百の会社を回ったか分からないと言っていた。

 ランクを下げたつもりでもさらに年齢が行ってしまい。ますます難しくなる悪循環だった。

「馬鹿だったのかもしれません、なんでもいいから食べていければと思っても、無用な考えがぐるぐるして、親が死んだら俺ももう喰うあてもなくなる次第です」

 他人には生き方が間違っていると思われるかも知れないが、そんな生き方しかできない人もいる。

 

 

 

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