自作小説やアニメの評論
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イサオさんはリストラされ、仕事を捜したが五十代では何もなっかった。 必死で捜しても半端な仕事しかなく、生活費ぎりぎりで、 家のローンが重荷になり、最後は妻や子供と離婚に至った。 その方が身体の弱い妻と子が生活保護で暮らしていけるからだと言う。 「私のできることなんてこんなろくでもないことだけです」 金のある時はネットカフェで寝て、心細い時は二十四時間のファーストフードで寝泊まりし、それも無理ならば路上で寝る。 日雇いのその場限りの仕事をしながら、目処のつかない日々をやっと過ごしていた。 「もう、本当は早めに自殺して子供に保険でものこしてあげたら良かったんだと思いますよ。私なんか社会のくずですからね」 そんなことはないと口々にイサオさんを慰めたが、みんなそれは自分のことだと感じていた。 「いつも、いつも思い出すんです。家を買ってみんな喜んで、残業ばかりのきつい仕事だったけど、毎日子供達の寝顔をみながら、この幸せは続いていくんだろうなと、、何の落ち度もなかったと思います。会社が赤字だとも聞いてないし、あのころ流行で、ついでにうちもってやられたと、他のリストラされた社員から聞きましたがね」 イサオさんは日雇いのための連絡携帯に写った娘さん達の写真を見ながら涙をこぼした。 僕らは残酷な運命に言葉も出なかった。
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