自作小説やアニメの評論
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人を殺すのは絶望である。 そんな言葉が頭をよぎった。 希望があれば人は自殺などしいないし、病人も回復しやすいだろう。 自殺を間接的に行うために他人を殺傷する者もでる。 正しいことではないだろう。 それでもそこへ陥る人間はいる。 絶望が全てを破壊してしまう。 暗い陰が世界をおおう。 何も考えられない。
「そうですね、子供って大事ですよね、子供が生めないなんて女として失格なのかも、、」 いきなりかりんさんが言った。 「そんなことないですよ、昨今じゃあ親殺しするニートやら、暴力がひどいひきこもりを親が殺すってこともあるし、殺人鬼になったりで子供が全てじゃないですよ」 ナーガさんが最近の事件をならべた。 「そうですよ、それに男だって駄目になったりしますよ、糖尿とかで、何でも女の人のせいではないし、それによって幸福になれるわけでもないと思います」 とんさんが僕も危ないですと笑って言った。 「みなさんには悪いけど、子供はいいもんです。でもね、親は子供と一緒にいることが出来ないこともあるんです。全ては縁とか運ですよ」 イサオさんがしみじみと言ったあと、かりんさんがぽそっと言った。 「私、、子供の生めない身体なんです。生まれつき心臓が弱くて、、それを婚約した彼に話したら、婚約破棄されて」
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とんさんがハンドルを握って皆が、最初は大型ショッピング店を目指した。 誰もが普通の生活を営む普通の人達だった。 まだ、後援してくれる人間がいる人は、生活保護を受けられるし、それが当然と 親子三代で受けている人もいるらしい。 本当に困っている人もいるが、偽装や脅しで貰っている人もいる。 だが、僕らにはそんな後援してくれる人もいないので、生活保護にしてもらえる希望はない、普通の人にはキビシいのだ。ホームレスになるしかない。 ソニアさんが自嘲ぎみに言う 「明るく啓発本読んで前向きにって言うけど、前なんかないのよね。前は閉ざされて良くなることなんかない。悪くなって疲れるだけの人生なんかいらないわよ。私だって小さな平凡な幸せを望んでいただけなのに、主人が親戚の事業の保証人になって、何千万もの借金を残してその親戚はいなくなったの、家を売って何もかも無くなっても、まだ子供がいたから、、希望ってあったわ、その子だけのために、頑張っていけた。でも、子供が事故で死んで、、本当に何も無くなって、あとは借金だけ、、希望もないのに生きていくの辛くなったの、、、旦那も酒びたりで、仕方なく私がスナックで働き始めたんだけど、それが旦那は気に入らなくて、毎日けんかばかり、生活の為に働かなくてはっていうけど、未来も何もないのにどうしてこの人が作った借金の為に苦しい思いして、なじられて、、ばかばかしいってか疲れたの、、子供だけでも生きてればね、、離婚して自己破産してそれで、、結局これから先に何があるっていうのか、、」 ソニアさんの人生の暗い澱のようなようなものが表情に現れていた。
「このまま暗く旅立つってのもなんだか味けないですね」 ナーガさんがそう言った。 「かりんさんには申し訳ないけど、残ったお金で最後の宴会ってどうだろう」 「楽しい気持ちで旅立つの、、いいですね」 かりんさんも承知してくれた。 僕らは樹海に向う道すがらに、大型ショッピングセンターに立寄り、必需品を購入することになった。 運転はとんさんとナーガさんが交代ですることになった。 食料品とあと雨になった場合に、、降水確率は低かったがもし雨が降ったら、外で死ぬのはどうもと言うことで七厘と炭を購入した。 「やっぱり、雨はだめよね、、そんなとこで、もう惨めになっちゃう」 「とんさんは、道を良く知ってるみたいですが、何回か来たことあるんですか」 僕はついくだらないことを聞いてしまった。 「まあ、、いつか行きたいなあって何度かね、雨が降ったり、人が多かったり、なんだか一人だと度胸がなくて」 とんさんは照れて言うが、それは分かる。 若いころならば、自分の死後を美化して考えれるが、僕らの年になると、自分の死なんか誰も問題にしないだろうことが分かっている。
Pro">「車とかどうします?電車でいきますか」
僕の発言に皆は嫌な顔をした。 電車では到底行く気分になれないのだろう。 「レンタルしましょう、お金を出し合えばそれくらいはできるだろうし、免許なら持って来てます、、死んだあと身元確認できた方がいいかなって」 ナーガさんの発言の最後のは暗いジョークだったが、みんな思いは良く分かった。 この世から痕跡をなし、完全に消滅したいと思う反面、自分の死体がいったい誰の者だったか、教えたいと思うのだろう。 僕と違って彼の両親は健在なのだから。 僕はと言うと分からなくてもいいような気もする。 死んだあとのことはもうどうでもいいと思えてきたからだ。 他の人達と違い、心配する身内もいない孤独な身では、誰だったことなんて、無意味に思えるからだ。 しかし死ぬのにも金はかかると無意味に思った。 イサオさんが心配そうにこちらを見ている。 彼には当座の金もないのだろう。 「お金は今持ち合わせのない人はいいとして、いくらある」 とんさんが空気を読んだように言った。 「私、、この日のために持って来ました。どうぞ使ってください、あとなんて心配ないし」 にっこりと笑いながら、かりんさんが意外にまとまったお金を出してきた。 いいところのお嬢様と言うのは当たりなんだろう。 僕や他の人もお金を出したが、一番貢献しているのはかりんさんだろう。 レンタカー代なんて何台もかりれそうだ。 「睡眠薬の調達はしてきた?」 ナーガさんがにやりと笑った。 精神科に通っている何人かが持ち寄ることになってたのだ。 集めれた睡眠薬は結構な量になった。 「しかし、、これだけのを大量に飲むのって気持ち悪くなりそうね」 ソニアさんはげんなりした顔で薬を手に取る。
僕らは樹海への旅を選択した。 選択できるだけ幸せなのかも知れない。 暴力や戦争に蹂躙され有無を言わせずに命を奪われるもの。 突然の事故や病魔に侵されて死んだりするわけでもなく、人生の選択の一つとして選ぶのだ。 戦争が虐殺があるわけではない、、だが静かに少しづつ殺されていく。 いじめや虐待のように目に見えるものではないから、理解もされない。 静かに生きていることを黙殺されて消えるしかないのだ。 ナーガさんが話の流れの中で発言していた。 「最近は生き延びるために、お金のある人殺したり、刑務所で最低三食で屋根のある場所を確保するために他人を傷つけるわけでもないんですから、犯罪のような扱いをして欲しくないな。本当ならテロやデモとかで今の政治体制を破壊するとか、他国と戦争して全てをまっさらにできたら一番いいけどね。どうせ入れ替わるのは中流以下で上のゴミどもは変わらないでしょうけど」 ナーガさんは過激な思想を一時抱いたようだが、どうせ自分だけが考えても、仕方ないのだと悟ったと言う。 「日本人は動くのが嫌いなんですよ、自分からは窮地に立つまでは何もしない、そのくせ最後までがまんしてたんだといいながら、過激なことをする。単純と言うかただのいい格好をする奴が多すぎです」 僕達が死ぬことを許して欲しい、他人を傷つけるわけではないのだから。
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