自作小説やアニメの評論
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 だが二階へと上がってやっと僕は目当ての人物と巡り会え、抱いていた不安が払拭されたのだった。
その男は二階から外を見渡せるカウンター席に座って、時たま後ろを振り向いていた。
そして彼のすぐ横のカウンターの上に、樹海ツアーとパソコンで作ったであろうシャレたデザインの紙が、斜めに立てかけていた。
少し小太りで背の高い彼がきっととんさんなのだと僕は思った。
ネットのイメージと彼はそれほどかけはなれてはいなかったからだ。
だからこそ初対面でも勇気を持って声をかけることが出来た。
「あ、、あの俺」
現実の世界でネットのハンドル名を告げるのは気恥ずかしいが、思い切って名前を告げた。
「ども、俺がとんです。会えて嬉しいです」
彼は柔和な微笑みを浮かべて僕に自己紹介した。
「他の人はまだですか?」
カウンター席に座っていることで、僕はとんさんが一人だと勘違いしていた。
だが、彼は窓際のカウンター席を埋めている人々を振り返った。
「みんな、もう集まっているよ、あなたで最後です」
「す、すみません。遅くなって」
僕は時間どおりに来たのだが、他の人達はもっと早く来てたらしい。
そのことにみんなの決意が見てとれて、少し恥ずかしくなった。
「大丈夫、みんなもさっき集まったとこだから」
四十代の疲れきったような女性が、かすれたような声で僕に告げた。
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